金烏玉兎
私はどうやら、気に障るようなことをしてしまったらしい。
「で、でも、私謝って無かったから。
昔の交通事故のことも、色々…。」
「はぁ?」
座りこむ聖。
傷口が痛いはずなのに。
「面倒なことばっかしやがって…、このアマが。」
「…ってゆーか、痛いんだけど…って。」
聖の体が傾く。
首にマリア様のネックレスが下がっているのが見えた。
「ひ、聖…!」
マリア様は、夜の闇を吸い取ってはくれなかった。