金烏玉兎



舌打ちと溜め息がセットになっている。


「…死人みたいに扱って楽しんでるなよ、馬鹿野郎。」

「皆さん来てくださいましたね。」


東仲さんは笑いながら言う。


聖は、驚異の回復力だと医師に言われるくらいのスピードで治っている。

すぐに退院した静綺も病室に居て、窓辺で東仲さんの手作りのオニギリを食べていた。

なんでも、聖へ輸血をしたのは静綺らしい。

私も照大も東仲さんも血液型があわなかった。


「刺されたんだから、もう少し丸くなれよ。」

照大が言う。



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