金烏玉兎


その言葉に大いに賛成、と頷くと睨まれる。


「大体において、お前があの時余計なこと言わなかったら、」

「余計なことって?」


聖を刺した男も、逃げた男も捕まえられた。

捕まえたのは十六夜組の人達で、事件は表沙汰になることもなく終わった。


「空気読めよ、この馬鹿女。」

ば…馬鹿女!?

立ち上がろうとした私を照大が押さえる。

売られた喧嘩は買わなきゃ!と視線を向けると、手を掴まれた。


「じゃあ俺等は帰るから。聖、暴れて人に迷惑かけんなよ。」

「お前、言うようになったな。」

「俺も成長したんだ。」


…成長?



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