金烏玉兎
照大の歩く道。
それが何を意味するのか、私には理解が出来る。
どんなに頭の良さが違っても、居る世界は同じなのだと痛感する。
「こんな面白みも無いけど、これからも一緒に居てくれるか?」
自分を低評価する必要なんて無いくらい、照大はよく出来るのに。
私は、手を握り返す。
「当たり前だよ。」
きっと、直ぐに離れろって言われる方が難しいよ。
午後の天気も良い。
冷たい空気は澄んでいて、青空には雲一つ無い。
春がすぐそこまで、迫っている気がした。