金烏玉兎
「そうよー確かそうよー。」
「嘘。」
「本当の話。だってあの家、十六夜の分家だから壊す予定だって聞いたもの。それを聖ちゃんが止めて、責任は自分が持つって本家に頭下げたって話よー。」
半分酔っているお母さんは、ヘラヘラと笑いながら聖の方を見ている。
酔っ払いは、あんまり当てに出来ない。
親睦会は、何事も無かったかのように行われた。
実家の近くの居酒屋を貸し切っている。
聖の両親も京都から来ているし、照大や静綺の親戚も集まっている。