金烏玉兎
聖は静綺の隣で何かを話している。
「ってゆーことは、聖はそこまでしてあの屋敷に残りたかったってこと?」
「聖ちゃんが残りたかったわけじゃなくて、貴方達が一緒に居て欲しいって思ったんじゃないのかしら。」
オレンジジュースが目の前に差し出される。
持ち主を見ると、聖のお母さん。あの、裏社会のドンのお母さん。
「久しぶりー、オーカちゃん。元気にしてはった?」
キラキラとした笑顔は、聖には無いもの。
普通の人が見れば、普通に美人なお母さん。