金烏玉兎


聖は静綺の隣で何かを話している。


「ってゆーことは、聖はそこまでしてあの屋敷に残りたかったってこと?」

「聖ちゃんが残りたかったわけじゃなくて、貴方達が一緒に居て欲しいって思ったんじゃないのかしら。」


オレンジジュースが目の前に差し出される。

持ち主を見ると、聖のお母さん。あの、裏社会のドンのお母さん。


「久しぶりー、オーカちゃん。元気にしてはった?」


キラキラとした笑顔は、聖には無いもの。

普通の人が見れば、普通に美人なお母さん。



< 186 / 190 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop