金烏玉兎
遙か彼方へ、その思いは過去となる。



中間試験一週間前なのに百合ちゃんと私は喋りながらダラダラと帰る。

いつもは自転車だけど、今日は朝に雨が降っていたからバス。

百合ちゃんは溜め息を吐いては吸い、吐いては吸い、を繰り返していた。

憂鬱。勉強はあんまり好きじゃない。

確かにやれば良い点を取れるのは分かっているんだけど、やる気になれない。

とんだダラケ者だと、自覚はある。


「おーかーちゃん。」


呼ぶ声に顔を上げると、朱月先輩が居た。



< 26 / 190 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop