金烏玉兎
「だって、聖が。」
“だって、聖が。”
…あれ?
こんなこと、前にも言った気がする。
デジャヴ?
「御二人が喧嘩だなんて久しぶりですね。」
クスクスと笑って、そんな気にした様子も無く台所に戻っていく。
あああ東仲さんっ!
もう少し、理由を詳しく聞いて欲しい。私の聖に対する不満を!
「この能無しが一人で騒いでるだけだ。」
「聖が素直に聞き入れてくれれば済む話でしょう!?」
ガタンと襖が開く。
「…二人とも、うるさい。」
照大と静綺が溜め息と共に言った。