金烏玉兎
百合ちゃんの知っている先輩なのかもしれない。
何かに怯えているようなそんな顔をして見るほど、深い関係なのかもしれない。
…あれ?でも、年上の人が嫌いって。
その女の先輩は、うちの高校の制服ではない。
「あ、ごめん。行こ。」
「…うん。」
我に返った百合ちゃんはいつもの顔をしている。
聞いて良いものなのか、分からない。
私は、幼なじみに囲まれて生きてきたから。
あんまり、人との距離感が掴めない。