金烏玉兎
中学の時は、友達は居たけどずっと一緒に居たわけではなくて。
殆ど一緒に居たのは照大と静綺だった。
「…あの、百合ちゃん。」
「ん?」
嫌な顔をしたら、すぐに謝ろう。そう心に決めて聞く。
「どうして、年上の人、苦手なの?」
嫌な顔はしなかった。
ただ、少し困ったように笑っている。
「そんな面白い話じゃないんだけどねー。」
歩道のちょっと高い所に乗った。
百合ちゃんは言う。
「あの人、中学の時テニス部でダブルス組んでたの。」