金烏玉兎


ドサリと聖の隣に座った静綺は言う。
私も続くように照大の隣に座る。


「何があったって、バイトの奴が夕飯作りに来てくれただけ。」

「バイトって、先輩が?」


心なしか棘のある口調で照大が話す。こういうことはあまり無い。

無関係だ、とそっぽを向いていた先輩が向き直る。


「そう、俺が代役。」


胸を張るようなことでも無いけど、自信ありげに言った。


「それで、そいつは聖の何?」


私が口を開かないうちに話し合いは終わりに近づく。


「従兄弟。」




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