金烏玉兎
い と こ。
ポカンと口を開けたのは私だけじゃない。
聖と朱月先輩以外みんなそうだった。
「母方の方だから、多分血縁は薄い。ってか、殆ど他人。」
「まぁ、愛人の息子だから。」
「しかも自称。」
吐き捨てるように聖は言った。
朱月先輩もそれに同調するように頷く。
聖のお母さんは、所謂裏社会のドン。
その兄弟となれば、愛人も…。
「で、先輩。飯は?」
「聖とコイツに険悪な空気で挟まれていつ作れると思ってんだよ。」
照大のことを指差す先輩に、静綺は呆れたようにため息を吐く。