金烏玉兎


「俺は十六夜聖に雇われてるんであって、水島の坊ちゃんに雇われてるわけじゃねーんだよ。」


そうか、だから先輩は聖に逆らえない。

一人で納得して、私のお腹の音が鳴る。

「…。」

沈黙に顔が赤くなるのを感じた。


「今すぐ作ってきます。」


ガタンと先輩は立ち上がり、台所に向かって行った。

大丈夫なのかな…。

「お前等、絶対従兄弟だよ。テキトーな所がソックリ。」

黙っていた照大が口を開いた。

「それ分かる。」

思わず同調すると、睨まれた。



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