金烏玉兎
私の顔が強張っていたのか、先輩は困ったような表情を作る。
「ごめん、同情を買ったりしたいワケじゃなくて。ただ、出来ればオーカちゃんが告白してくれたのも全部含めて、これから少しだけ宜しくね。」
少しだけ、その言葉に期間限定という漢字が頭の中で当てられる。
「バイバイ、また会えれば良いね。」
頭をポンポンと撫でられて、先輩は門の外に出て闇に消える。
私は足が動かなかった。
自分が幼なじみより劣っているのは分かってるつもり。