金烏玉兎
こういう事をする辺り、聖に言わせれば「ガキ」なんだろう。
「久しぶりですね、こうやって桜嘉さんがぎゅーっとしてくださるの。」
「…前もしてた?」
「聖さんと喧嘩すると、すぐに私を呼んでいたんですよ。」
クスクスと耳元で聞こえる笑い声が心地良い。
耳に滑り込む、多分お母さんより聞いた声。
「さぁさぁ、冷えるので入りましょう。」
東仲さんて本当に何歳なんだろう…?
聞いたところで話してはくれない。
この家はそういう人が多い気がした。