金烏玉兎
積み上げた本と倒したドミノ。
グダグダだった…。
溜め息と共に漏れた声に百合ちゃんが疲れたように苦笑する。
窓の外は心とは裏腹に空が青くて、雲ひとつ無い。
少し窓を開けると、風が入ってくる。
「百合ちゃん。駅前まで行ってなんか食べて帰ろう!」
「それ良いね。あ、でも先生に呼ばれてるから待っててくれる?」
「了解。」
試験は午前で終わるし、今日は最終日だから。
私は焦る必要も無い。
周りがガタガタと席を立つ中、座って窓の外を眺める。