金烏玉兎
掃除も今日は無くて、先生も教室を出てしまった後、残ったのは私と静綺。
出席番号の席で、私と静綺は同じ窓際の列。
太陽に当たる金髪は、白みがかって銀色のように見えるから不思議。
「静綺。」
つまらないから、話しかけてみると視線だけ寄越された。
そんな面倒くさいみたいな顔しないでよ。
「誰か待ってるの?」
「電話。」
「…多忙だね。」
静綺の前の席に座って、横を向く。
後ろから入る風に髪の毛が揺れた。