金烏玉兎


「それって…。」


続きを聞きたい。私は、前乗りになる。

窓からまた風が入る。

百合ちゃんがまだ来る様子は無い。


「いつも近くに居るのに気付かない。
小さい頃からこんなに近くにいるのに、上手くかわされる。」


それって幼なじみの誰か?


私がそう言う前。


いつも私は人より遅い。



理解するのも。

気づくのも。



「俺が好きなのは聖。」




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