金烏玉兎
顔に当たる空気は刺すように冷たくて、歩いて行けば良かったかもしれないと後悔する。
それにしても、静綺が聖を好きだとは…。
今まで生きてきた中で、トップ3に入る驚いた事だと思う。
今回の試験の点数の悪さも入ってるけど。
考えて、止めた。
お母さんにも電話しないとならないし、私の頭はパンク寸前。
「おはよう。」
駅の駐輪場に自転車を止めて歩いていると、百合ちゃんと笹原さんが後ろから声をかけてくれた。
「おはよー。」