金烏玉兎
やっぱり、歩いた方が風に当たらない…。
しみじみそう思いながら挨拶を返す。
「今日寒いね。マフラー出そうかな。」
「耳当ても欲しい!!」
笹原さんは朝からテンションが高く、どこからか漏れている情報を話さない限りは見ていて面白い人。
田舎なこの街でも、最近はアスファルトが増えてきている。
雪が降ったら、滑るんじゃないかな。
これからの苦労を感じて肩の荷が重たい。
「そういえば、神原くん。弓道の地方大会出るだって?」
笹原さんは目を輝かせて言う。