金烏玉兎
百合ちゃんも分かっていたみたいで、わざとらしくガタンと椅子に座った。
「…神原くん、うちの高校でも噂されてるくらいだから。自分の学校に居にくいだろうね…。」
廊下に出た女子を睨みつけながら言う百合ちゃん。
その通りだと思う。
今、照大の傍に友達はついていてくれているのかな…。
考えが巡る。
でも、時間は平等に進んでいく。
気付けば放課後。
空はまだ暗くなる前。
私は自転車で緩い坂を下って行く。