金烏玉兎
マシンガントークを聞き終えた先輩は、少し黙り込んだ。
悩ませたかったわけじゃない。
申し訳ないな、と思いながら自転車を押す。
「オーカちゃんが今からしようと思ってること、分かるよ。」
ドキリとした。
その声色は見透かしているようだったから。
「聖に敵討ち。」
「よく…分かりましたね?」
「俺だったら、そうしたいから。」
同じことを考える人が居るという安堵より、否定されなかったことへの安堵。
私はほっとする。