金烏玉兎
決意は固い。
照大だけじゃなくて私の為。
屋敷の蔵の鍵はあいている。
中に金目になるものとかは入っていないから、と東仲さんが前に言っていた。
棚にダンボールや価値の分からない巻物が置かれている。
その奥に、刀が置いてある。
いつの時代のものか分からないそれを持って、私は屋敷に戻る。
蔵の一番近くにある聖の部屋の前に行った。
襖を開くと、聖がだるそうにこちらを向いた。
「聖。」
「あ?」
「…照大のことなんだけど。」