madness - 狂気 -

 もう1つだけ言えるのは、僕の周りは常に狂気が満ちているということ。

 狂気に満ちたあの目で見つめられると、僕はどうしようもなく怖くなる。

 何かされるんじゃないかって。


 でも……だからといって、僕は「助けて」とは言わないよ。


 言ったって助けてもらえないのは……つい最近学んだっていうか、死をオススメしてくる人もいるんだもの。


 「助けて」とは言わないよ。

 「助けて」とは言えないよ。


 この狂ってしまった日常の中で生活している僕も、いつかは完全に狂ってしまうのだろう。

 常に周りにある狂気と、同じになってしまうのだろう。



「――別に、それでもいいか♪」



 無意識にその言葉を口にして、僕は気付いた。


 なんだ。

 僕も、もう……。


 ――常に周りにある狂気と化しているじゃないか。
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