madness - 狂気 -
 次は、移動するバスの中で、数名の男女が花火をしだした。


 迷惑なのは当たり前だけれど、それ以前に、花火をする場所が違う。

 花火をしだした人が怖そうな人だから、僕は注意が出来なかった。

 だれかが注意をしてくれると、ヒヤヒヤしながらも待っていた……けれど。


 注意をするどころか、僕以外のバスに乗っている人たちは、みんな花火をしだした。


 サラリーマン、ギャル、おばさん、子供……みんな、花火をしだしたんだ。

 道のすみっこにバスをとめたバスの運転手さえも、その花火に参加していた。


 いたたまれなくなっちゃって、僕はすぐにバスをおりた。
< 6 / 13 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop