暴走族と4才児!
「……と、……たから」

「ん?」


千暁が聞き返すと、亮は小さく呟いた。


「昔の俺と…、重なったから。放っておくなんて……、出来なかったんです」


「………亮」


「俺は…、千暁さんに出会って救われたんです。千暁さんが俺を拾ってくれなかったら、きっと俺は母親の言いなりになってた……」


そう言う亮に、千暁は気まずそうにうつむいて言った。


「んなの大げさだ。結局何とかしてやるって言っておきながら、俺はお前を母親から救えなかった……」


「…っ、そんなこと!千暁さんが手をさしのべてくれたから、俺は今ここにいるんです。だから…、俺にとっての千暁さんみたいに、理央奈を助けてやりたかった」


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