暴走族と4才児!
そう言った亮に、千暁は苦笑いをする。


「俺が、どうしてあんな厳しい事を言ったか分かるか?」


「…えっ?」


「お前には、俺と同じ気持ちを、味わってほしくなかったからだ」


「……?」


首をかしげる亮に、千暁はフッと自嘲気味に笑った。


「自分の無力さを、どうにも出来ない、どうすることも出来ない現実にぶち当たった時のあの絶望を、味わってほしくなかったから…」


千暁は、昔を思い出すかのように目を細めて遠くを見つめる。


「…でも、だからって理央奈を放り出すわけにもいかねぇよな」


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