カルテット
一通りまわってしまった私達はボーリングに行く事にした。

正直ボーリングは得意じゃない。というか球技が全般的に駄目なのだ。

しかし他の3人は乗り気だし、今の雰囲気を壊してはいけない。


ボーリング場に移動する途中隆介が睡魔に襲われたためコンビニに寄り休憩する事にした。

何か車の中で皆で食べれる物を探していると、隆介が話しかけてきた。

この日隆介から声をかけてくるのは初めての事だった。

『悪いんだけどさ…タバコ1本貰えない?』

タバコ吸うのか…。私はちょっと意外だった。

『いぃけど…タバコ吸うんだ?』

『ぅん…ホントは禁煙中なんやけどね汗』

由利がタバコ嫌いなためだろう。ホントに由利が好きなんだなと思いながら由利がトイレに行っている隙にタバコとライターを渡した。

『ありがと』

そう言うと隆介はコンビニの外へと出て行った。

『隆君どこ行ったん?』

隆介が出て行った後今度は敬太が話しかけてきた。

『タバコ吸いにね。由利には内緒にしといて。』

『ふぅん…。華さんなんか買うの?』

どうやら敬太も隆介がタバコを吸う事は知っていたようだ。私はちょっと安心した。
もしかすると由利が隆介を嫌ってほしいために敬太が由利にチクるのではないかとちょっと心配したのだ。

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