カルテット
ジョイフルでは割りとみんな普通だった。

私は一人でお酒を飲んでいた。
しかも……焼酎を笑笑

コップ3〜4杯ロックで飲んだ後タバコを吸いに外へ出た。

喫煙席ではあったが、由利の前では吸えなかった。

すると隆介が着いて来た。ご飯を食べた後はタバコが吸いたくなる気持ちが分かるので黙ってタバコとライターを渡した。

『気まずい雰囲気になってごめんね。』

隆介は入口横に座り込むと私に謝った。

『隆君が悪いわけやないし、しょうがないやろ。』

私が笑ってそう答えると隆介も笑った。

『由利の事本気で好きなんやね。』

私がそう言うと、隆介は真面目な顔で話しはじめた。

『俺自分から好きになるの初めてだからさ。絶対に離したくないんよ。』

『泊まりに行ったって?』

『ああ、何度かね。』

『何もせんやったとか凄いよね。てか、えらいよ。』

私は男女が二人きりで同じ部屋に泊まって何もないわけがないと思っていた。

自分がそうだったから…。

由利の『何もなかった』という言葉に本気で驚いていた。
自分は汚い。そう思った。

この時までは。

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