カルテット
『あんね、めっちゃ理想の人が現れたんよ！』


由利の話によると、相手は同じ学科の津村健哉の中学時代の友人野原隆介という人で現在大学近くの写真館で働いているらしい。

学科の友人ら数名と遊んだ時に健哉が連れてきたのが隆介で、由利は隆介を気に入り、また隆介も由利に一目惚れをしたらしい。


『んじゃその隆介って人と付き合うんだ？』

私が当たり前のようにそう聞くと、由利は首を振った。

理想の人が自分を好いているのだから付き合えばいぃのにと思ったが、由利には由利でいろいろ考えがあるらしい。


由利と隆介が出会ったのは数週間前。
まだ敬太と付き合っている時だった。

隆介は敬太の存在を知っていたが、由利に猛烈にアタックしていた。

最初のうちは敬太の事を考えていた由利も何度か遊んでいるうちに隆介の方へと気持ちがゆれていき、次第に家に泊めるようにもなった。

それが敬太にバレて喧嘩になり、敬太は由利の事を許してくれたのだが、由利の方がもぅ敬太とは付き合えないと別れたらしい。
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表紙・目次

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