【企画】廃陸の旅団外伝①【キャラバト】
この大陸の何処か、国家連合軍ですら干渉できない地に廃陸の旅団の天空艇が停泊していた。
デッキには操縦士が8人、ローテーションを繰り返しながら天空艇を操縦している。
するとデッキに2人の人物が入ってきた。
小柄でしわくちゃな老婆と大柄で鎖の様な物をぶら下げた男。
「これはシルファ様にホセ様。如何なさいましたか?」
大柄の男ホセはきょろきょろと辺りを見渡す。
「新しい団長様はここにも居ねぇ、か」
シルファはくすりと笑う。
「オスカー様も大概でございましたが、新しい団長も奔放な方ですね、ホセ」
ホセは肩をくいっと上げて踵を返す。
「力は認めるが、あの飄々とした性格はなんとかならんもんかね?」
「あれがジン様の素晴らしい所でございますから。
すみませんがジン様が来られたら一度私の所においでくださるようにお伝えください」
シルファは深く頭を下げてデッキを後にする。