【企画】廃陸の旅団外伝①【キャラバト】


「ああ……そうか、フィンダー海峡はアレク大陸とサノマ大陸を隔てる海峡だったな」

振り返るジンの後ろにそびえ立つ、断崖。

それは海中を尽きぬけ大陸を成している。

「ほんじゃ、ま。

行きますかね……」

海峡へと歩を進めたジン。

身に纏うフォースは研ぎ澄まされていて、それでいてどこか楽しげでもあった。


断崖の狭間は暗く、人工太陽の光は僅かしか届いていない。

オキスロットと呼ばれる自動酸素分離器により、水中でも呼吸するに十分な酸素が漂っている。

しかし、それでも水中である。

動きは鈍るし、嗅覚はあまり機能しない。

とりわけジンの様なタイプは五感で敵を感じ取る。

視覚、嗅覚を奪われ、ジンの集中は散漫と言っても良いくらいだった。






< 24 / 43 >

この作品をシェア

pagetop