【企画】廃陸の旅団外伝①【キャラバト】
「ああ……そうか、フィンダー海峡はアレク大陸とサノマ大陸を隔てる海峡だったな」
振り返るジンの後ろにそびえ立つ、断崖。
それは海中を尽きぬけ大陸を成している。
「ほんじゃ、ま。
行きますかね……」
海峡へと歩を進めたジン。
身に纏うフォースは研ぎ澄まされていて、それでいてどこか楽しげでもあった。
断崖の狭間は暗く、人工太陽の光は僅かしか届いていない。
オキスロットと呼ばれる自動酸素分離器により、水中でも呼吸するに十分な酸素が漂っている。
しかし、それでも水中である。
動きは鈍るし、嗅覚はあまり機能しない。
とりわけジンの様なタイプは五感で敵を感じ取る。
視覚、嗅覚を奪われ、ジンの集中は散漫と言っても良いくらいだった。