【企画】廃陸の旅団外伝①【キャラバト】
海藻の中でギラリと目が光る。

そして、隠れた鋭利な歯でジンの足を食い千切ろうとした瞬間だった。

パキッ。ピキキッ。

ワカメの化物が凍り付き、ジンが足を引き抜くと、バラバラになって崩れ落ちた。

「ったく、あぶねぇな」

足に粉々になった欠片がまとわりついていたので、ジンは足を降って、それを払い落とした。

そのジンの手にはいつの間にか純銀の鎖が握られていた。

「ギュルギュル……?」

「キャルギャルキャル?」

ワカメの化物達は何が起きたのかわからなかったのだろう、困惑している。

「ちぃとばかしおふざけが過ぎたな、ワカメ野郎。

鎖の呪結界を操る、この氷空のジン様が、成敗してくれる」

漲るフォースで海中にジンを中心とした波が発生した。

その波を掻い潜り、ワカメの化物に伸びる鎖。

鎖は海藻を貫通して何処までも伸びていく。

そんなジンの背後から海藻を伸ばし、からめようとした化物。

ジンは鎖を自分のまわりにグルリと回して、それを打ち落とす。

「さぁ、終わりだ……

『結鎖・氷狼陣』!!!」

投げられた鎖はぐるりとワカメの化物達を囲い込み、その中に魔方陣を描きだした。

ジンがフォースを込めた瞬間。

結界が辺りを包む。







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