【企画】廃陸の旅団外伝①【キャラバト】


結界の中、降るはずのない雪が舞っていた。

それは一瞬にして狂暴な吹雪となり、荒れ狂う。

パキッ。ピキキッ。

超零度の空間で細胞が凍り付き、辺りを荒れ狂う無情な風が凍り付いた身体を無残にひきちぎる。


ジンの結界・氷狼陣に取り囲まれた者は死ぬ間際にこう言い残す。

「――白銀の無数の狼が自分の身体を切り裂いていった」と。


ジンがフォースを止めると結界が消える。

十数体いた魔物は粉々になり消えていった。


「さて、もう少し奥まで行ってみますかね―――って。

このフォースは!?」


奥から漂ってくる不気味なフォース。

いつの間に現れたのかは分からないが、恐らくはこのフォースの主こそ噂の海蛇だということは、容易に想像がついた。

ジンはゆっくりと歩を進める。

身体の細胞がジンに伝える。











久々の極上の獲物だ――









と。





< 27 / 43 >

この作品をシェア

pagetop