【企画】廃陸の旅団外伝①【キャラバト】
海蛇はオーデイルのつけた傷など気にも止めずに海中を縦横無尽に駆け回る。
そんな様子を見たブリュンが蔑む様に言う。
「分かっただろう?貴様の老いた剣など、このクラスの魔物には通用しない。
さっさと消えろ」
オーデイルはほくそ笑む。
「若いのう……ブリュン。
貴様の目は節穴か?」
「何だと?
……………はっ!!」
ブリュンはようやく気付く。
海蛇の中腹辺りが紫色に変色し始めていることに。
それは先ほどオーデイルが傷つけた場所からどんどんと広がっていっている。
「毒か……」
「作用。
効果が出始めるまでに時間は掛かるがこの程度の変異種になら十分効くわい。
老兵には老兵なりの戦いかたってやつがあるのじゃよ」
ブリュンはゆっくりと剣を構える。
「その効果と、効果が出始めるまでの時間は?」
身体の異変からか暴れ狂う海蛇がブリュン達に向い迫る。
オーデイルは低い声で言う。
「打ち込んでからちょうど3分。
つまり後2分15秒で、奴は細胞が溶け崩れ――死ぬ」
ブリュンは小さく笑い、向かってくる海蛇に剣を構えた。
「残念だがそれまでに私が奴を切り殺す!!」