【企画】廃陸の旅団外伝①【キャラバト】
ソードダンサーは光となり、ゆっくりとテレサの薔薇の杖に収束していく。
ソードダンサー五本目、最後の剣とはソードダンサー自身がテレサの刃となることであった。
薔薇の杖にまとわり付いたソードダンサーのフォースは、剣の形を成していく。
「もう一度聞きます。
あなたの望みは何ですか?」
ジンはにやりと笑うと、髪の毛を後ろで結わえる。
「そんなもんは決まってる。
まだ見ぬ『夢』を掴み取ることだ!
天を目指すのが禁忌?納得できるわけがねぇ!
『希望』は『翼』だ。羽ばたかねぇ翼なんざ、オレの背中には必要ねぇ!!」
鎖を投げるジン。
「希望は翼……確かに。
確かにあなたの言う通りです。
ですが――
だからといって他者をその爪で傷付けていい道理にはならない!!」
テレサは舞う。
剣と戯れるかのように奔放に自由に、伸びやかに、力強く。
その姿は正に剣舞(ソードダンス)。
打ち流した鎖が魔方陣を描こうとするのを、テレサは瞬時に察し、鎖を切り離した。
粉々に砕け散った鎖が舞う。
隙がうまれたジンに詰め寄るテレサ。