【企画】廃陸の旅団外伝①【キャラバト】
ハグでお互いの清らかな(?)心を認めあった2人。
テレサは一粒零れた嬉し涙を拭う。
「にしても、こりゃあ酷いな……
最悪別の場所に坑道を新たに作らなきゃならないかもしらん」
サンチョは村の男達と頭を抱える。
テレサは話は聞かずにシュトラツ山の頂上を眺めていた。
鬱蒼と生い茂る針葉樹。
テレサはふとサンチョに尋ねる。
「この上に何か建造物や収穫のできる物はありますか?」
その質問にサンチョは目を丸くして答えた。
「いや、特に何もない木々だけの山だよ。
収穫できるものが無いからだろう、動物もあまり住んでいない様だし」
「……そうですか」
テレサは目を瞑ってフォースを練り始めた。
フォースを扱える者は稀である。
扱えない者には本来フォースを見ることや感じることはできないのだが、熟練のフォースマスターのそれは大気すら揺らす。
ただならぬテレサの気配に皆が息を呑んで見つめる。
「おいで……"炎に寝た女騎士"『ブリュンヒルデ』!!」
薔薇の杖から赤色の魔方陣が出現し、灼熱の波動と共に深紅の鎧に身を包んだブリュンが現れた。