エールミー!
1.孤独
入学式、

「………次は水上高等学校前。」



通勤ラッシュもあって、
電車のなかは毎日汗を流しながら
働く親父たちの汗の臭いや熱気で、
私はすでに体力の限界であった



…足ががくがくしてきた、
次の駅で降りるひとが多いだろうけど、人の波に流されてしまいそうだ

高校生になり、はじめて通勤ラッシュの恐ろしさをしった


中学時代、電車通学が夢だとひそかに思っていて
わざわざ家の目の前にある高校ではなく、
電車を二本乗り換えて途方5分の水上高校を選んだ



甘かった



こんなにもひどいとは…屈辱だ。



私の印象は、黒い(そりゃもう真っ黒)髪を
セミロングに伸ばして生まれつき
つり目なことから、昔からクールに思われがちだった

そのせいか、小中学もあまりひとがよってこなかった。
もちろん友達もできるはずがなかった。


本当はさみしくてさみしくてしょうがないのを、
私は本を読んだりして誤魔化していた

そのせいかもっと人は寄らなくなってしまい、
クラスで完全に浮いてる子と認識されていた

違うんだ、本当はそんなことないんだ。
笑いたいときは笑うし、みんなと一緒にいたい。
それだけなんだ・・・・


ごく普通の人なんだ・・・、私は

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