LOVE・GAMELY -恋愛遊戯- (全199話)
■プリクラ

ゲームセンター…
そういえば女とゲーセンに行くのも初めてだ

『洋くん… 一生のお願いがあるんですけど…』

店に入った途端、奈穂が口を開く

『何?』
『プリクラ…撮ってもらえませんか?』
『は…?』

プリクラなんて撮った事がない

写真とかプリクラとか…
女って何で形に遺したがるかなぁ…

『駄目ですよね…?』
『…』

すごく嫌だけど…
寂しそうな目をする奈穂を見たら

『…いいよ…』

こう言うしかなかった




『洋くんッ 笑ってくださいよ!』
『面白くもないのに笑えねーっての!』

機械の中に入っても大騒動

慣れない事に顔は引き攣り
結局、怒った顔と引きつった顔2枚と目をつぶった顔の合計4枚のシールが出来上がった

『この怒ったのカッコイイです! 携帯に貼ってもいいですか?』
『絶対に嫌だ』

嫌がらせとしか思えない

『そんなぁ…』

奈穂は目を潤ませてシールを見る

…あーもうッ
その顔に弱いんだってば

『もう1回撮るぞ? 今度は笑ったの!』
『はッ はい!』

奈穂は嬉しそうに満面の笑みでついてくる


そして再度、機械の中…

『撮りますよ~?』

奈穂は台に乗って必死に画面に入ろうと頑張っていた

それが可愛くてつい頬にキスしてしまう

『ひゃッ…』
『真っ赤! その顔、携帯に貼ろっ!』

仕返しもかねて、奈穂に言う
すると奈穂は真っ赤な顔のまま頬を膨らませた


そしてシールが出来上がり…

『えへへ、貼っちゃいました♪』

奈穂は嬉しそうにプリクラを貼った携帯を見せる

『学校で噂されても知らないよ?』
『いいんですよ!』
『ふーん…』

嬉しそうな奈穂を見ると、こちらも嬉しくなる
俺は奈穂に自分の携帯を差し出した

『え…?』

奈穂は不思議そうに目を丸くする

『1枚だけちょうだい? ソコに貼ってよ』
『…噂…されますよ?』
『いーよ別に、もう奈穂との噂は慣れたから』

それにもう1人だけと決めた
今、奈穂がいればそれでいい
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