LOVE・GAMELY -恋愛遊戯- (全199話)
■わかった事

時は3月

『卒業式まであと一週間かぁ…』

切なげな顔で外を見る和之

『3年に知り合いなんていないくせに…』
『それは言うな』

俺の言葉に和之はハハッといつもの笑顔を取り戻した

と、その時…

『真中くん、3年生が呼んでるけど…』

廊下側に座っている男子生徒がそう声を上げる

『あー… 今行く』

俺は立ち上がって教室を出ていった







連れて来られたのは裏庭…

『ごめんね… 俺、彼女いるんだ…』

卒業式が目前になると皆、騒がしくなる
準備やら告白やらで…

『わかった…』

女は俯いて背中を向ける

それと同時、何処からか女の声で「ごめんなさい」と聞こえた

それは最も聞き覚えのある声…


声の方に近づいていくと男女が2人、向き合って話していた

内容はもちろん告白…

俺は気付かれないよう、そっと近づいて女の体を抱きしめた

『悪い、これ俺の彼女』
『よッ…洋くん?!』
『モテモテだねぇ、奈穂』

奈穂は突然の事に驚いて顔を真っ赤にする

3年生らしき男はそそくさと裏庭を出ていった

『あの野郎、逃げやがったな…』
『よ、洋くんは何でこんな所に…』
『…奈穂と同じ理由』

そう答えると奈穂は少し不機嫌そうに頬を膨らませる
それに気付いて俺は頬にキスをした

『奈穂より可愛いのはいないよ…?』

なんて、ご機嫌取り

『…』

そう言われても疑いの目を向ける奈穂

付き合ってわかった事がある
奈穂は意外に独占欲が強い事

それと…

『愛してるよ?』

こう言えばすぐに機嫌が直るって事

『洋くん卑怯ですよ! そんな顔で言われたら怒れないです!』
『ん? どんな顔?』

俺の意地悪な台詞に奈穂は顔を真っ赤にして答える

『すごく…カッコイイ…』

湯気が出そうなくらい赤い顔
こっちもつられて赤くなってしまう

『奈穂こそ卑怯… そんな可愛い顔しないで…?』

奈穂と付き合ってわかった事パート2

俺は意外と女に弱いって事
地位は奈穂の足元にも及ばないかも知れない…
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