LOVE・GAMELY -恋愛遊戯- (全199話)
■呼び出し

《今日の放課後、裏庭で待ってます》
《放課後に屋上に来てください》

奈穂と俺は下駄箱に入っていた手紙を読み、お互いを見合わせた

『俺、屋上』
『私は裏庭です…』

つい深い溜め息が出る

『いーわ、俺も裏庭行く』
『駄目ですよ! 向こうは勇気を振り絞って呼び出したんですよ?!』

奈穂は眉間にシワを寄せて睨んだ
告白されるの嫌がるくせに…

『はいはい… 終わったらすぐに裏庭行くからね』
『はい!』

不安に思ったが、こうなった奈穂はテコでも動かない
とりあえず奈穂と別れ、屋上に向かう事にした


屋上で待っていたもの
それは…

『綾…?』

冬に別れたはずの綾だった

『お久~♪ 最近の真中、おとなしいじゃん!』
『…まぁ…』

綾は何だか楽しそうにフェンスにもたれて座る

俺も少し離れた所に座った

『んで… 何の用だった?』
『ヨリ戻そう? 綾と!』

笑顔で言う綾
その笑顔に少し拍子抜けしてしまう

『俺、今は彼女がいるんだけど…』
『別れちゃえばいいじゃん!』
『…話がそれだけなら俺、帰るわ』

俺はそう告げて立ち上がる
その瞬間、綾が腕を引っ張って止めた

そして唇を重ねられる

『…ッ…』
『…奈穂ちゃん…だっけ? 彼女…』

…何で綾が知って…

『あの子モテるよねぇ… 真中、大丈夫?』
『どーゆう意味?』
『今、裏庭で告白されてるんだって?』

ニッと笑う綾
俺は言い表せない不安に駆られ、綾の胸ぐらを掴んだ

『綾が唆(ソソノカ)したのか?』
『…綾はただ皆に「真中とヨリ戻したい」って相談しただけだもん』

プイッと顔をそらす綾

女なら何しても許される
そんなふうに思うなよ?

『奈穂に何かしてみろ、黙っちゃいねーからな?』

俺は女でも容赦しない
< 129 / 200 >

この作品をシェア

pagetop