LOVE・GAMELY -恋愛遊戯- (全199話)
■大馬鹿者

和之が男達にズボンを渡し解放した後も、奈穂が泣き止む事はなかった
俺はどうしていいか解らず、強く抱きしめたままで地面に座る

それと同時に理香が口を開いた

『まぁ、私は洋を信じてたけどね!』
『よく言うよ… 「最低」って言いながら乗り込んできたくせに…』

横目で睨むと理香は苦笑して座った

苦笑して済む事か?

『でも何で綾先輩と付き合ったりしたの? わけ有り?』
『わけが無きゃ付き合わねーって… とりあえず主犯は綾だったって事』

といっても初めは俺が悪かった
だから主犯は俺かも知れない…

そう思ったその時

『…馬鹿…』

俺の胸に顔を押し付けていた奈穂がぽつりと呟く

『馬鹿ってゆーな…』
『馬鹿馬鹿馬鹿… ホント馬鹿…』

うん
自分でも馬鹿だと思う
大馬鹿者だよ

『浮気もの…』
『あ、台詞変わったし』

奈穂の口から出る言葉に俺を始め、全員が思わず笑みを漏らした

『大丈夫… 何もしてないから…』
『…本当…?』

顔を上げた奈穂は目も鼻も真っ赤
それでも可愛く見える…

俺は耐え切れず唇を奈穂の唇に押し付けた

『…奈穂としかヤラない約束したろ?』
『はい…』

ついには頬や耳までも赤く染まってしまう

『洋… 俺達、帰るわ…』

と突然、和之がそう言い出し理香の腕を掴んだ

『あ、ああ…悪い…』

2人の存在を忘れてしまってた

『んじゃ、夜道に気をつけてー♪』

和之は意地悪に言うと、屋上の扉を開け
理香を引きずるようにして出ていった
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