LOVE・GAMELY -恋愛遊戯- (全199話)
■本物に
…本物になりたい
記憶を取り戻して本物に…
自信を持って奈穂を抱けるように…
それが今、1番の願い事
『聞こえてたらどうしましょう…』
ベッドの中で奈穂はそう繰り返す
『大丈夫だって、和之も鈍いからさ…』
『でももし…』
例え聞こえていたとしても和之なら聞かないフリをしてくれるだろう
『もう2人も寝てるよ、俺達も寝よ?』
『…はい…』
奈穂は心なしか不満げな顔をして布団をかぶる
それが可愛くてつい頭を撫でてしまった
『俺、水飲んでくるね? 先に寝てて!』
ベッドから降りて立ち上がろうとした時、ツンッと裾が何かに引っ掛かる
振り返ると奈穂の白い手がシャツの裾を掴んでいた
『…行かないで…?』
『奈穂…?』
不安そうに見上げる奈穂
『下のキッチンに水飲みに行くだけなんだけど…』
『でも…』
『すぐ戻るよ?』
そっと奈穂の手を外し俺は笑顔を見せた
そして部屋を出て階段へ向かう
階段の前まで来た時、急に足が動かなくなった
【洋! 大丈夫か?!】
頭の中に男の声が響いたから…
これは父さん…?
あの時だ…
病院で目が覚めた時
今の記憶が始まった日
『…俺は…あの時、何で病院にいた…?』
記憶を失う直前、何があった?
『あ~…眠い…』
一方、和之は下の部屋で大アクビ
『もう寝る?』
『トイレ行って寝る…』
眠そうに立ち上がる和之に理香はクスクスと笑う
『何?』
『ううん! 眠いのに話聞いてくれてありがとう!』
珍しく素直な理香に和之は笑顔を見せて部屋を出た
トイレは階段を少し通り過ぎた所
階段まで来た時、何気なく顔を上げると上には見慣れた人物が立っていた
『…洋…?』
何となく様子がおかしい…
しばらく様子を見ていると、急に動き出した
踏み出した右足は少し階段とずれて…
『危ないッ…!!』
落ちてくる洋を受け止めようと手を広げる
意識はそこで途切れた…
…本物になりたい
記憶を取り戻して本物に…
自信を持って奈穂を抱けるように…
それが今、1番の願い事
『聞こえてたらどうしましょう…』
ベッドの中で奈穂はそう繰り返す
『大丈夫だって、和之も鈍いからさ…』
『でももし…』
例え聞こえていたとしても和之なら聞かないフリをしてくれるだろう
『もう2人も寝てるよ、俺達も寝よ?』
『…はい…』
奈穂は心なしか不満げな顔をして布団をかぶる
それが可愛くてつい頭を撫でてしまった
『俺、水飲んでくるね? 先に寝てて!』
ベッドから降りて立ち上がろうとした時、ツンッと裾が何かに引っ掛かる
振り返ると奈穂の白い手がシャツの裾を掴んでいた
『…行かないで…?』
『奈穂…?』
不安そうに見上げる奈穂
『下のキッチンに水飲みに行くだけなんだけど…』
『でも…』
『すぐ戻るよ?』
そっと奈穂の手を外し俺は笑顔を見せた
そして部屋を出て階段へ向かう
階段の前まで来た時、急に足が動かなくなった
【洋! 大丈夫か?!】
頭の中に男の声が響いたから…
これは父さん…?
あの時だ…
病院で目が覚めた時
今の記憶が始まった日
『…俺は…あの時、何で病院にいた…?』
記憶を失う直前、何があった?
『あ~…眠い…』
一方、和之は下の部屋で大アクビ
『もう寝る?』
『トイレ行って寝る…』
眠そうに立ち上がる和之に理香はクスクスと笑う
『何?』
『ううん! 眠いのに話聞いてくれてありがとう!』
珍しく素直な理香に和之は笑顔を見せて部屋を出た
トイレは階段を少し通り過ぎた所
階段まで来た時、何気なく顔を上げると上には見慣れた人物が立っていた
『…洋…?』
何となく様子がおかしい…
しばらく様子を見ていると、急に動き出した
踏み出した右足は少し階段とずれて…
『危ないッ…!!』
落ちてくる洋を受け止めようと手を広げる
意識はそこで途切れた…