LOVE・GAMELY -恋愛遊戯- (全199話)
■6年の歳月
『名前は何て言うの?』
ただ名前を聞いた
そんな何気ない事
それなのに、彼女は涙を流し去っていった
何が何だか解らなくて、呆然としている俺に男は言った
『洋… 本当にわからないのか?』
わからないのか?と…
『…何が…?』
『相模の事…』
相模…?
聞いた事もない
確か頭の中で父さんの声がして…
それから…
『小さい頃の夢を見たんだ』
母さんが俺にした事
それに…
『母さんが亡くなった日の事も…』
でも代わりに何か大切なモノが消えたような気がする
思い出せない何か…
『相模って女…何で泣いてたの?』
『当たり前だろ? だって相模は…』
相模は…?
『相模はお前の彼女なんだから…』
『…え…?』
知らない
そんな事知らない
俺はあの女の顔も名前も知らない
『お前の言う母親の亡くなった日… あれから6年経ってんだ…』
『ろく…年…?』
6年という年月
それが嘘じゃないという証明があった
窓に映る…大人の自分…
『今日は帰るね、また落ち着いたら話そう…』
男はそう言うと、荷物を手に病室を出ていった
滝のように流れる水
真っ赤に染まる浴室
首を絞められた苦しみ
そして…
人間を切る感触…
こんなにも鮮明に覚えているのに…
『…くそ…ッ』
頭が混乱しそうだ…
『名前は何て言うの?』
ただ名前を聞いた
そんな何気ない事
それなのに、彼女は涙を流し去っていった
何が何だか解らなくて、呆然としている俺に男は言った
『洋… 本当にわからないのか?』
わからないのか?と…
『…何が…?』
『相模の事…』
相模…?
聞いた事もない
確か頭の中で父さんの声がして…
それから…
『小さい頃の夢を見たんだ』
母さんが俺にした事
それに…
『母さんが亡くなった日の事も…』
でも代わりに何か大切なモノが消えたような気がする
思い出せない何か…
『相模って女…何で泣いてたの?』
『当たり前だろ? だって相模は…』
相模は…?
『相模はお前の彼女なんだから…』
『…え…?』
知らない
そんな事知らない
俺はあの女の顔も名前も知らない
『お前の言う母親の亡くなった日… あれから6年経ってんだ…』
『ろく…年…?』
6年という年月
それが嘘じゃないという証明があった
窓に映る…大人の自分…
『今日は帰るね、また落ち着いたら話そう…』
男はそう言うと、荷物を手に病室を出ていった
滝のように流れる水
真っ赤に染まる浴室
首を絞められた苦しみ
そして…
人間を切る感触…
こんなにも鮮明に覚えているのに…
『…くそ…ッ』
頭が混乱しそうだ…