LOVE・GAMELY -恋愛遊戯- (全199話)
■何度でも
○Side 奈穂

半熟卵のオムライス
洋は子供のように夢中で食べていた

デザートは小さくて可愛いチーズケーキ

『本当、好きだな… それ』

甘い物が苦手な洋はコーヒーを混ぜるマドラーでケーキを指差す

『うん、大好き!』

ねぇ洋…
記憶が無いなんて嘘みたい

だって洋は私の好きな食べ物を知ってるんだもん






レストランでご飯を食べた後、2人で映画を見た

切ないラブストーリーが私好みで、涙が出っぱなし
本当に弱いのよ、私…




『絶対、奈穂は泣くと思った!』
『だって…ッ 可哀相すぎて…』

思い出しては涙が滲む私に洋は声を押し殺して笑う

『何で笑うのッ? あんなに切ないのに!』
『いや、違うくて…』

睨みつけると同時、頭に洋の手が乗った
華奢で大きな手…

それと共に表情は驚くほど優しい顔になった

『奈穂のそうゆうとこ好きだよ? 素直で優しくて…』
『え…?』
『最初は自分と正反対で嫌いだったけどね… 逆に正反対だから好きになった…』

優しく話す洋に私は言葉を発する事を忘れ、ただ見入っていた


この言葉は誰の言葉だろう

今の洋…?
それとも前の…?

『どの記憶を失っても俺はまた奈穂を好きになると思うから…』
『洋…』

誰の言葉だっていい
私も何度でも好きになるから…

『ほら、泣くな…』
『…ん…』

何度でも頑張るから…
ずっと傍にいて…?
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