LOVE・GAMELY -恋愛遊戯- (全199話)
■不注意
○Side 奈穂
映画館を出るとすっかり空は暗くなっていた
グレイに霞み、月は見づらい
『そろそろ帰るか』
洋はそう言うと星の無い空に白い息を吐いた
もうお別れか…
少し寂しいな…
『今日どうする? このまま帰る?』
私の気持ちを察したかのように口を開く洋
『えっと… 洋が忙しくないなら…』
『アパート来る?』
『…うん…』
そんな何気ない事が嬉しいと思った
『おじゃましまーす』
アパートの部屋は真っ暗で、私達2人はとりあえず手探りでスイッチを捜す
『…ッきゃあ!!』
『危ね…ッ!』
スイッチに触れたと同時、玄関に置いてあった物につまずいてしまう
バランスを失った私を洋は助けるように抱き抱え、代わりに靴箱に頭を打ち付けた
『洋ッ! 大丈夫?!』
『…痛ぅ…』
とても大丈夫だとは思えない、大きな音だった
『悪い… 朝来た宅急便がそのままで…』
『ううん… 私がつまずいたばっかりに…』
ボロボロと零れる涙が洋の頬に落ちる
『心配するなって。 今、コーヒーでも入れるな…』
洋はそんな私に心配かけまいと、頭を押さえ立ち上がる
『私がコーヒー入れるから洋は寝てて!』
そんな洋の腕を引いて部屋に押し込んだ
数分後…
コーヒーが沸いた為、部屋に戻ってくると洋はベッドでスヤスヤと眠っていた
起こさないように静かに座る
『…さっき…ありがとう…』
そっと髪に触れ頭を撫でると洋は少し不快そうに眉間を歪めた
『……穂…』
『うん?』
『…奈穂……』
『…』
何だ…
寝言か…
○Side 奈穂
映画館を出るとすっかり空は暗くなっていた
グレイに霞み、月は見づらい
『そろそろ帰るか』
洋はそう言うと星の無い空に白い息を吐いた
もうお別れか…
少し寂しいな…
『今日どうする? このまま帰る?』
私の気持ちを察したかのように口を開く洋
『えっと… 洋が忙しくないなら…』
『アパート来る?』
『…うん…』
そんな何気ない事が嬉しいと思った
『おじゃましまーす』
アパートの部屋は真っ暗で、私達2人はとりあえず手探りでスイッチを捜す
『…ッきゃあ!!』
『危ね…ッ!』
スイッチに触れたと同時、玄関に置いてあった物につまずいてしまう
バランスを失った私を洋は助けるように抱き抱え、代わりに靴箱に頭を打ち付けた
『洋ッ! 大丈夫?!』
『…痛ぅ…』
とても大丈夫だとは思えない、大きな音だった
『悪い… 朝来た宅急便がそのままで…』
『ううん… 私がつまずいたばっかりに…』
ボロボロと零れる涙が洋の頬に落ちる
『心配するなって。 今、コーヒーでも入れるな…』
洋はそんな私に心配かけまいと、頭を押さえ立ち上がる
『私がコーヒー入れるから洋は寝てて!』
そんな洋の腕を引いて部屋に押し込んだ
数分後…
コーヒーが沸いた為、部屋に戻ってくると洋はベッドでスヤスヤと眠っていた
起こさないように静かに座る
『…さっき…ありがとう…』
そっと髪に触れ頭を撫でると洋は少し不快そうに眉間を歪めた
『……穂…』
『うん?』
『…奈穂……』
『…』
何だ…
寝言か…