LOVE・GAMELY -恋愛遊戯- (全199話)
■白い家

赤い電車が小さな駅に停車する

父さんは僕の小さな手を握り電車を降りた

「洋、よく聞きなさい」

山の中の田舎駅の下
そこには青く壮大な海が広がっていた


「山と海との夢の町」

本当にあるんだと、驚いた


「今から父さんと行く所… そこが今日からお前の家だ」

家…?
父さんは…?

一緒に住むの…?

「そこには沢山の兄弟がいて、優しいお母さんもいるから」

お母さん…?
お母さんがいるの?





「初めまして 白い家で館長をやってます、渡辺です」

そう言って出てきたのは、少し小太りのおばさん

この人がお母さん…?

「そうね、子供達からはそう呼ばれてるのよ?」



その日から白い家での生活が始まった

愛を知らない人間だらけの生活

俺はいつだって、愛を知って出ていく人間を見送る側

「ねー お母さん…」

愛って一体何…?
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