LOVE・GAMELY -恋愛遊戯- (全199話)
■嫌いなタイプ

次の日、学校に行くと「真中がフラれた」という噂で持ち切りだった

こういう時は必ず…

『洋ちゃ~ん! フラれたって?』

親友(悪友?)の和之がからかいに来るんだ
それはもう、毎度の如く…

『うっせぇ、うぜぇ… そして死ねぇ』
『お前、最後に「ぇ」が付けばいいと思ってるだろ…』
『バレた?』

これは喧嘩ではなく通常の会話
ちなみに洋(ヨウ)とは俺の下の名前…

『フラれたっちゅーか… 関係が終わっただけ どうせ恋愛でもないしさぁー…』

「やってらんねぇ」とばかりに机に足を置き椅子を後ろに傾ける

昔からそうなんだ
俺は恋愛に夢中になれない

あの約束…
「愛する事」が果たせない


『いい女いねぇかな~…』
『洋の周りいっぱいいるじゃん…』

周り…か…
周りなんて軽い女ばっかだし…

『つか相模っていいよな?』

突然、何の前触れ無く和之が言う
しかも鼻の下まで伸ばして…

『相模…?』
『まぁ、お前のタイプではないわな』
『…どんなの?』
『純粋で汚れてなくて… おまけにメッチャ可愛い! 俺色に染めたいぜっ!』

…その考えヤバイぞ?
俺色って今時、笑えるから!

『俺はパス! 悪いけど俺が一番に嫌ってるタイプ』
『だから洋のタイプじゃないって言ったろ?』

そーいや初めに言ったな…

だってその女、絶対に処女じゃん
情移されたらめんどくせーよ…

『おい! 噂したら相模が歩いてんぞ?!』
『へぇ…』
『見ろって!』

和之は半ば強引に俺の首を回転させて廊下を見せた

廊下を歩いているのは女の子3人

『どれが相模?』
『左左! 一番可愛いやつ!』

左…ね…
意識を集中させて廊下を睨む

左の女生徒はこちらの視線に驚いたのか一瞬、体がビクンとなった

つか…

『あの女…』

昨日の女だ…
あの顔にあの目

猫を拾ったあの…

『洋? どーした?』
『いや… 可愛いんじゃね? 相模って女…』

自分の彼女でもないのに和之は『っだろ?』と嬉しそうに笑う。

でも俺の苦手なタイプだねー…

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