LOVE・GAMELY -恋愛遊戯- (全199話)
■相模奈穂
次の日、学校に来た俺が一番に向かった先は和之の所だった
『相模奈穂って何年何組?』
目的はもちろん情報収集
『洋、相模に惚れたとか?!』
『まさか! ただ話があってさ』
『…まぁいいけど… 2年4組だよ』
へぇ…
あの外見で同級生かよ
てっきり1年だと思った
『何? マジで惚れたんじゃねぇ?』
『バーカ 俺のタイプじゃねぇよ!』
俺はまだゴチャゴチャと言葉を発する和之を鼻で笑って教室を出た
相模奈穂
俺の忌み嫌うタイプの女
しかし手を出すか出さないかは全くの別問題
なんせあのタイプの女とは話もした事がない
俺は情報を聞き出したその足で真っ直ぐに4組へ向かった
《ガラッ》
教室の扉を開けた途端に皆の視線が突き刺さる
そーいや4組なんて来た事ないな…
『ねぇ、相模奈穂いる?』
とりあえず適当な奴に奈穂を呼んでもらう
しばらくして不思議そうな顔をした奈穂が姿を見せた
『おはよー』
『あ… おはようございます…』
顔を赤く染め、まともに目も合わせられないようだ…
…可愛いじゃん。
『昨日はビックリさせてごめんね?』
『ぇ…?』
俺の言葉が意外だったのか奈穂は少し驚いたように目を見開いた
きっと道の真ん中であんな事をしていた俺を人として疑っていたのだろうな…
『ねぇ、トラ元気?』
『…』
放心状態から中々、抜けれないのか奈穂はポーっとしたまま答えない
『ね、聞いてる?』
『え、あっ すみません!』
『…トラが見たいって言ったの 奈穂が飼ったんだろ?』
『なッ…奈穂…て…』
…何なんだよ…
名前呼んだくらいで赤くなんなよ
俺にとって女を呼び捨てにするのは当たり前なんだから
『あの… どうやって見せれば…』
『キャリーバッグある?』
『はい!』
『じゃあ俺の家に連れて来てよ あいつにプレゼント買っておくし!』
『はい!』
奈穂は何の疑いもなく笑顔で頷いた
猫好きに悪い奴はいないって?
もしかしてそう思ってんのかな
それ、ちょっと甘いんじゃん?