LOVE･GAMELY -恋愛遊戯- (全199話)

■呼吸困難

次の日の朝、俺は綾と手を繋いで学校へ向かった

『久しぶりだね♪ 一緒に行くの！』
『そうかぁ？』
『そーだよ～！』

嬉しそうに笑う綾

カワイイ…けど可愛いじゃない…
愛しいという感情はわかない

【愛する事、愛される事】

誰かと付き合う度、少しは期待する
２つを教えてくれるんじゃないかって…

でも…
全然見えねーわ…



学校に近付いてきた頃、道を歩く人が増えてきた

不思議と俺の目は奈穂を見つける
悔しいくらい早く…


奈穂は大勢の中で１人、俯き加減で歩いていた

それを見るだけで息苦しくなる
何で…？

『あ… おはようございます…』

奈穂はこちらに気付いたのか、顔を上げ小さな声で挨拶する

…苦しい

喉に何か温かい物を詰まらせたような…
そんな息苦しさ


『…綾… 今日、帰りにビデオ屋行っていい？』
『うん？ いいよ！』

俺は息苦しさから逃げるように、その場を去った


呼吸が戻ってくる…
と、同時に目頭が熱くなった


何で？
どうして？


『真中？ どうしたの？』

心配そうに覗き込む綾を俺は強く抱きしめる

『…ｯ綾…』

このまま捻り潰して…
形が失くなるほどに…

『綾…綾…ｯ』

そうしなきゃきっと満たされない

誰でもいいから
俺を満足させてよ